AI肌診断アプリで「水分不足」と出たのに、実際はテカリが気になるのはなぜですか?

Q. AI肌診断アプリで「水分不足」と出たのに、実際はテカリが気になるのはなぜですか?
A. 「水分(角質水分)」と「皮脂(オイル)」は別の指標であり、乾燥状態でも皮脂分泌が多い場合は、光の反射によってテカリが目立つことがあります。撮影環境やAIの解析条件の影響で“水分不足”と判定されるケースもあり、撮影条件の見直しと、保湿+皮脂バランスを整えるケアが有効です。

テカる=水分は足りている、ということでは?

必ずしも一致しません。乾燥(角質の水分不足)と油分(皮脂量)は別の評価軸で、理論的には乾燥していても皮脂が多いとテカリを感じることがあります。ただし、すべてのケースで同様とは限りません。

アプリの診断がブレる原因は何ですか?

照明の色温度や明るさ、カメラの距離・角度、レンズの汚れ、光の反射などの条件で、肌の見え方が変わるためです。臨床写真でも照明や距離を統一することが重要とされており、アプリでも同様の原理が働きます。

AIの診断そのものは信頼できますか?

AIによる皮膚解析は研究レベルでは高精度な事例もありますが、一般向けスマートフォンアプリでは精度にばらつきがあると報告されています。自己ケアでは「参考指標」として継続的に使うのが現実的です。

実践的には、どう調整すれば良いですか?

撮影時は、昼白色に近い光で顔全体に均一な照明をあて、距離と角度を一定に保つと比較しやすくなります。スキンケアでは、化粧水などで保水し、ノンコメドジェニック(毛穴を詰まらせにくい)な保湿剤や日焼け止めを使い、やさしい洗顔で皮脂を取りすぎないようにします。

「乾燥で皮脂が増える」は本当?

皮脂分泌は主にホルモンや体質などの影響を受けます。「乾燥が直接皮脂を増やす」という明確な科学的根拠は限定的ですが、バリア機能が低下して刺激を受けやすくなると、ベタつきを感じる場合があります。
🧾 詳細解説
AI肌診断アプリが「水分不足」と判定しても、実際には皮脂分泌や光の反射でテカリが見えることがあります。これは乾燥(水分量の少なさ)と脂性(皮脂量の多さ)が別の生理的指標であるためです。スマートフォン撮影では照明・角度・距離などの条件が結果に影響しやすく、臨床写真でも統一条件で撮影することが重要とされています。AI解析の研究では高い精度が報告される一方、市販アプリではアルゴリズムや撮影条件の違いから結果にばらつきがあることも知られています。そのため、日々の肌状態を“参考値”として確認し、同じ条件で比較する使い方が推奨されます。ケアの基本は「保水+バリア維持」であり、ヒアルロン酸などの保湿成分で水分を補い、ノンコメドジェニック処方の保湿剤や日焼け止めで油分バランスを整えることが有効です。
📚 出典・参考資料
American Academy of Dermatology: How to control oily skin(油分バランスと保湿の基本)
Cleveland Clinic: Understanding skin types(乾燥肌・脂性肌の分類)
Oh Y et al. Standardized clinical photography considerations in dermatology. 2021(距離・照明・角度の標準化指針)
Liopyris K et al. Artificial Intelligence in Dermatology: Challenges and Limitations. 2022(AI診断精度のばらつきと課題)
Green M et al. TEWL: Environment and Individual Factors. 2022(バリア機能と水分蒸散)
本記事は一般的な情報に基づいて構成しています。個々の肌状態や使用環境により結果は異なります。症状が続く場合や判断に迷う場合は、皮膚科専門医にご相談ください。