Q. 更年期の肌トラブルが急に悪化したとき、ホルモン治療とスキンケアではどちらを優先すべきでしょうか？

Q. 更年期の肌トラブルが急に悪化したとき、ホルモン治療とスキンケアではどちらを優先すべきでしょうか？
A. まずは医師によるホルモンバランスの確認を優先し、原因を把握したうえでスキンケアを見直すのが推奨されています。

更年期に入ってから肌荒れがひどくなりました。スキンケアを変えるよりも、ホルモン治療を受けた方がいいのでしょうか？

まずは婦人科などでホルモンバランスの状態を確認することが大切です。エストロゲンの減少によって皮脂や水分量が低下し、肌のバリア機能が弱まる可能性があるため、外側のケアだけでは改善しにくい場合があります。

ホルモン補充療法を受けると、肌の状態はすぐに良くなりますか？

ホルモン補充療法（HRT）は体内のエストロゲンを補い、さまざまな更年期症状を改善する治療法です。肌の弾力や保湿力を支える効果が報告されていますが、効果が現れるまでには数週間〜数か月かかる場合があり、個人差があります。

その間、スキンケアはどのようにすれば良いですか？

敏感になりやすい時期なので、保湿を最優先にし、低刺激・無香料などの処方を選ぶと安心です。肌のバリアを補うセラミドや、抗酸化を意識したビタミンC誘導体を取り入れるケースもありますが、刺激を感じる場合は避けましょう。

ホルモン治療とスキンケアはどちらを続けるべきですか？

どちらか一方ではなく、内側（ホルモンバランス）と外側（スキンケア）の両面から取り組む方法が有用とされています。ホルモン治療で体調を整えながら、保湿と紫外線対策を中心に日常ケアを続けるのが効果的です。

🧾 詳細解説
更年期の肌トラブルは、エストロゲンの分泌低下によって皮膚の保湿力やコラーゲン生成が減少することが要因の一つとされています。日本皮膚科学会や日本産科婦人科学会の情報によると、ホルモン補充療法（HRT）はこうした変化の改善に一定の効果があると報告されています。
ただし、HRTは全員に適しているわけではなく、効果の現れ方や治療方針には個人差があります。したがって、まずは医師による血中ホルモン量の確認を行い、必要に応じて治療を検討することが重要です。
一方で、スキンケアは日常的にできる対策として欠かせません。保湿を重視し、刺激の少ない処方を選ぶことが推奨されています。特にセラミド配合の保湿剤や紫外線対策は、肌の回復を助けるうえで有効とされています。内側のケアと外側のケアを並行しながら、睡眠や食事、ストレス管理を含む生活全体の見直しを行うことが、安定した肌状態を保つ鍵になります。

📚 出典・参考資料
日本産科婦人科学会「更年期とホルモン補充療法（HRT）について」
日本皮膚科学会「女性ホルモンと皮膚の関係」
厚生労働省「更年期障害の治療と生活上の工夫」
資生堂ビューティートピックス「更年期世代の肌変化とスキンケア」